【あたたかい住まい】神奈川県F邸 中編 2重の断熱材で、高断熱に。 「夏エアコン」と「冬エアコン」で、家全体を冷暖房。

F邸の設計プランには、快適で省エネな室内環境をつくるための御前さんの設計術が盛り込まれている。大きなポイントは、ほぼ家の中央にある吹抜けで、温熱環境のためにとても重要な役割を担っている。

「この家では、ネオマフォームとセルロースファイバーの2種類の断熱材を用いて高断熱高気密の建物をがっちりつくり、吹抜けを通してエアコン1台で家全体に冷暖房を行き渡らせるという手法をとっています」と御前さん。

階段から上下階を見る。この吹抜けが空気の通り道となり、家中に冷気・暖気を行き渡らせる。
階段から上下階を見る。この吹抜けが空気の通り道となり、家中に冷気・暖気を行き渡らせる。

冷暖房に用いたのは、費用対効果の高いエアコン。2台設置していて、御前さんが「冬エアコン」と呼ぶ1台は、1階リビングの床下に。暖気は床下を温めながら、ダイニング、脱衣所、玄関の3ヵ所に設けた吹出し口からゆっくりと室内に出て、吹抜けを通って2階まで暖める。

リビングの物入の下に設置された冬エアコン。床下に向かって吹き出された温風は、床下を通ってリビングや脱衣室の吹出し口から室内に出る。
リビングの物入の下に設置された冬エアコン。床下に向かって吹き出された温風は、床下を通ってリビングや脱衣室の吹出し口から室内に出る。

「夏エアコン」は、2階ファミリールームの高い位置に取り付けられている。エアコンから吹き出される冷気は自然に下りていくので、吹抜けを通って1階も冷やされる。「各季節、メインで使うのは1台ですが、よほどの暑い日寒い日には補助としてもう1台を使ってもかまいません。どちらの季節も、暖気は上り、冷気は下がるという自然の摂理を用いて対流を起こし、家全体を冷暖房するという仕組みになっています」(御前さん)。その対流を効率よく促すために、吹抜けの天井にはシーリングファンも取り付けられている。

また、高気密高断熱の家に欠かせない熱交換換気装置には、ダクトのないタイプを使用。シンプルな構造の機器を使うことで、施工の手間を省き、空間もすっきりさせているのは、御前さんの見えないところでのこだわりでもある。

F邸では、ダクトレスの熱交換換気装置を使っている。1 階はダイニングとリビングの2ヵ所、2 階は寝室と子ども室の2ヵ所。
F邸では、ダクトレスの熱交換換気装置を使っている。1 階はダイニングとリビングの2ヵ所、2 階は寝室と子ども室の2ヵ所。

冷暖房の仕組み

冷暖房の仕組み

冬は、1 階リビングの床下に設置したエアコンを稼働。床下に吹き込まれた暖気は床を温めながら吹出し口から室内へ出て、吹抜けを通って2 階へと上がる。冷気は下りてエアコンで暖められる。これを繰り返して家中を暖めていく。シーリングファンで循環を促進。

夏は、2 階ファミリールームに設置したエアコンを稼働。吹抜けを通して、冷気は1 階へと下り、暖気は2 階に上がってきてエアコンで冷やされる。これを繰り返して、家全体を冷やしていく。シーリングファンで循環を促進。

リビングに設けた子ども達用のカウンターデスク。「広くていっぱい絵も描けるよ」とお姉ちゃん。宿題もここで。
リビングに設けた子ども達用のカウンターデスク。「広くていっぱい絵も描けるよ」とお姉ちゃん。宿題もここで。
リビングと和室の間は、吊り戸式の障子で仕切ることができる。
リビングと和室の間は、吊り戸式の障子で仕切ることができる。
縁のない畳でモダンな和室に。正面は道路に面しているので壁で閉じ、小窓で明かり採り。
縁のない畳でモダンな和室に。正面は道路に面しているので壁で閉じ、小窓で明かり採り。

後編に続きます)