冷暖房を効かせるために断熱もしっかり。夏は屋根裏のエアコンで 家中、涼しく。

太陽の力と空気の性質を活かして、広い空間も温度差のない、心地いいあたたかさに」で紹介したMさんご一家。冬の温熱環境について「冬はパッシブソーラーとファンコンベクターで家中、あたたか。」で説明しましたが、夏はどうしているのでしょうか?

夏は屋根裏のエアコン1台で、家中快適に

夏の冷房設備は、屋根裏に仕込んだエアコンです。2階各室の天井際に開けたスリットとダクトから冷えた空気が下りてきます。1階へはリビングと階段の吹抜けが冷気の通り道となり、ファンがそれを助ける役目をはたします。基本的にエアコンはその1台ですが、猛暑に備えて、リビングにもエアコンを導入しました。そして、ソーラーシステムの運転を切り替えて、室内であたたまってしまった空気を強制的に外に追い出します。

屋根裏のエアコンで冷やした空気を、2階の個室へダクトと天井 の壁際のスリットから下ろし、かつ屋根裏の冷気で2階の天井の 表面温度を下げて、2階を冷やす。 さらにその冷気を吹抜けと階 段室を通して1階へ下ろし、1階を冷やす。足りない場合は、リビ ングのエアコンを稼動。室内の暖気は、パッシブソーラーシステム を冬と逆運転することで屋外に排出する。

イラスト解説
[夏]屋根裏のエアコンで冷やした空気を、2階の個室へダクトと天井の壁際のスリットから下ろし、かつ屋根裏の冷気で2階の天井の 表面温度を下げて、2階を冷やす。さらにその冷気を吹抜けと階段室を通して1階へ下ろし、1階を冷やす。足りない場合は、リビングのエアコンを稼動。室内の暖気は、パッシブソーラーシステムを冬と逆運転することで屋外に排出する。

屋根裏の様子。手 前がエアコンで、この1台が家全体の 冷房を担っている。
屋根裏の様子。手前がエアコンで、この1台が家全体の冷房を担っています。

1階から吹抜けを見上げると大きなシーリング ファン。上下階の空気を循環させる
1階から吹抜けを見上げると大きなシーリングファンがあります。ファンが上下階の空気を循環させます。

また、「大小たくさんの窓があって、部分的に開け閉めすることで、楽に空気の入れ替えができて、風も感じられます。選択肢が多いこともありがたいですね」とご主人は話してくれました。「冷暖房の効きをしっかりと発揮させるために、窓は断熱性能の高い製品を選んでいます。そして、屋根と外壁には断熱材を十分に施工しました」と設計を担当した御前さんは説明します。

2階に暖房設備はなく、 1階から上がってくる暖気で十分にあたたかい。中間期(春、秋)は窓の開 け閉めで快適に過ごせる。

2階に暖房設備はなく、1階から上がってくる暖気で十分にあたたかく過ごせます。中間期(春、秋)は窓の開け閉めで快適に過ごせ、夏は天井の壁際に開けられたスリットと天井のダクト孔から屋根裏の冷気が下りてくる仕組みです。

災害にも強い家造りの工夫

「この建物は、自然災害が起こったときに、ご両親や親戚たちの避難所ともなるように、頑丈なつくりにしています」とも。というのも計画がスタートしたのが、熊本の大震災の直後だったからです。地震の揺れを小さくする制振ダンパーを仕込んで、耐震等級も十分に計算した構造にしているとのこと。さら に太陽光パネルで発電した電気をストックできる蓄電池も設けています。まさに 家=シェルターというわけです。

お姉ちゃんと弟くんがはだしで家中をかけめぐります。楽しそうな声も、吹抜けを通じて伝わってきます。心地よい環境に育まれた、幸せな暮らしぶりがうかがえました。